約束 


　たしかにみたのだと姉がいう
　あの病院の裏通りで
　あの件はどねえなったかときくので
　あのままやとこたえると
　うつむいて消えたというのだ

　すると何日もたたず
　弟もみたのだという
　夜の勤め先にたずねてきて
　まだ別居しちょるのかねときいたという
　さらにやせていたそうだ

　ぼくらはその夜
　頭をたれ
　首輪をひきずってあるいた
　食いつぶしてもまだたりない
　むこうがわまで首をのばして食っている

　あのときははおやにぼくらはいった
　あとのことは安心してほしい

　それですんだとおもっていたのだ




青海島大越にて